建設アスベスト神奈川1陣訴訟・差戻審和解 ~建設アスベスト訴訟では初めて~
お知らせ
最高裁判決後、東京高裁差戻審にて和解協議続けられ判決前に成立
最高裁は、2021年5月17日、首都圏建設アスベスト神奈川1陣訴訟をはじめとする4訴訟について、国・建材メーカーらの責任を認める判決言い渡している。この判決を受け、国は直ちに菅首相自ら原告団代表と面談し、直接謝罪、基本合意に調印した。その後、給付金法を成立させすでに3900人余りの救済を実現している。一方、建材メーカーは、最高裁で責任が確定している原告に対して三行半の謝罪文を送付するのみで、原告が求める直接の面会のうえでの謝罪を一切拒否している。
こうした中、2022年11月22日、東京高裁第2民事部において、神奈川1陣訴訟の結審するにあたり、渡部裁判長から「本件は和解による早期解決が望ましい」との和解勧告があり、その後の和解協議の結果、ノザワと左官工として建築行に従事した原告4人との間で和解が成立した。
最高裁判決等を踏まえ深くお詫びし解決金を支払う
その内容は、「最高裁判決の示した要件の下で、建材メーカーが石綿含有建材への警告表示義務の懈怠につき民法719条1項の類推適用により損害賠償義務を負うと判断されたことを厳粛に受け止め、同最高裁判決等を踏まえ、控訴人らに深くお詫びし、解決金を支払う」というものである。
他の建材メーカー5社は和解を拒否 いたずらに解決を引き延ばす建材メーカー
一方、他の建材メーカー5社(ニチアス、A&A、MMK、太平洋セメント、大建工業)は、和解を拒否し5月31日の判決を待つという、きわめて不誠意きわまりない非常な対応をとっている。すでに9割の原告が亡くなられている中、このような建材メーカーの不誠意な対応は社会的にも糾弾されるものといえる。