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建設アスベスト訴訟 京都2陣訴訟判決

お知らせ

アスベスト建材メーカーに対し、18回目の責任断罪
8割の原告がアスベスト建材メーカーに勝訴

京都地裁前で判決内容を報告する弁護団

2023年3月23日、京都地裁にて京都2陣訴訟の判決が言い渡された。判決は、被害者原告30人中24人に対し、被告建材メーカー5社(ニチアス、エーアンドエーマテリアル、太平洋セメント、ノザワ、エム・エム・ケイ)が総計2億2,445万9,250円(元本分)の賠償を認めるものである。特に強調される点は、①被害者30名中24人(8割)の救済を勝ち取ったこと。②認容額が基準慰謝料の約4割、1陣の1/3論を超えたこと。③国との和解を理由とする損益相殺もなかったこと。また、ニチアスが裁判引き延ばしのために行っている文書送付嘱託を排除したことも評価点として挙げられる。

一方、解体工の救済を拒否するきわめて不十分な判決

「一人も残さず救済を」と闘う決意を述べる原告(都内にて))

一方、解体作業従事者3人と、他の3人(大工、型枠大工、塗装)の請求が認められず、原告団や支援の仲間からは救済に差別を持ち込む不当な判決とする声が多く出された。判決は、①解体工の救済拒否、外装材の予見可能性否定など、全体的に最高裁のコピーと言わざるを得ない。②1陣判決と比べると事実確認が全体に雑である。③解体工以外で棄却された原告3人(大工、型枠大工、塗装)は事実認定に誤りがある。全体として、労災記録偏重の事実認定、尋問や陳述書の細かな粗探しと弁護団は指摘する。

アスベスト建材メーカーの早期の謝罪と賠償、救済基金への参加が求められる

アスベスト建材メーカーは、18回も敗訴し裁判所での和解勧告があっても、解決へ踏み出そうとしていない。ただひたすら裁判を引き延ばし、被害で苦しんでいる原告を放置している。アスベスト建材メーカーは、判決を真摯に受け止め解決を決断する時だ。